UNITT 一般社団法人大学技術移転協議会 University Network for Innovation and Technology Transfer

広島大学 防菌スプレー

広島大学 入れ歯や歯ブラシを手軽に24時間防菌できる新しいタイプの防菌スプレー

高齢化社会に伴い、誤嚥性肺炎が問題視されていることから、口腔内ケアだけでなく入れ歯(義歯)に対するケアも喫緊の課題となっています。

広島大学とエーザイ株式会社との共同研究により、固定化抗菌剤Etakを用いたスプレータイプの義歯洗浄剤(商品名:Etakオーラルケア)を開発しました。本製品は短時間で義歯の洗浄ができるだけでなく、お出かけ先での洗浄も可能であり、使用すれば使用するほど義歯が汚れにくくなります。

Etakとは、広島大学医歯薬保健学科・二川浩樹 教授によって開発された化合物で、固定化抗菌剤を改良した4級アンモニウム塩をもつエトキシシラン系の新規化合物です。

共同研究においては、昨今、誤嚥性肺炎による死亡が高齢者で非常に多くなっており、また、義歯は汚れやすく菌の温床となるため、義歯の抗菌化を目指しました。

エーザイと数年に渡る共同研究の結果、歯科向けの商品としては初めて実用化に至りました。

共同研究ついて協議を行う段階から、次に続く契約手続き、及び製品化に伴う産学連携表示の作成等がスムースに進められる様、産学連携担当者が調整を進めてきました。

今回の商品は、義歯洗浄剤として数分で汚れを取り去り、抗菌加工できるものであり、他に例を見ないものです。
Etakの良さを歯科医師や歯科衛生士から患者さんに伝えてもらうために3年間は歯科医院専売としています。

なお、Etakを工業加工した繊維製品は、ミキハウス、AOKI、ベネッセなどから商品化されており、またエーザイからはマクス抗菌化スプレーが発売され、累計180万本以上のヒット商品となっています。

(参考:Etakの実験検証による効用例)

Etakは、水やエタノールあるいはその混合の溶媒に溶解することができ、0.06%程度の低濃度で布、木、ガラス、金属などに室温で数分間で固定化が可能です。実験検証によりますと、Etakで処理した表面には抗菌性があり、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌、MRSA、表皮ブドウ球菌、セレウス菌、虫歯菌など)・グラム陰性菌(大腸菌、O157など)を接触性に殺菌します。また、エンベロープを持つウイルスも接触性に不活性化でき、A型インフルエンザウイルス(ヒト、トリ、豚)、B型インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、(AからE型)肝炎ウイルス、はしかウイルス、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、狂犬病ウイルスなどにも有効です。Etakを用いることで容易に抗インフルエンザウイルス加工が可能になるため、空気や接触による感染拡大のリスクを下げることが期待できます。

知財情報
  • Etakに関する基本特許は既に日本、及び外国で特許査定を受けています。
    ※日本:特許第5618370号、特許第4848484号、特許第4830075号
  • Etak関連で、広島大学は毎年数百万円の実施料を受領しています。
詳細技術のアクセス先
実現した製品

表彰

2015年文部科学大臣表彰科学技術賞受賞「感染の拡大を防ぐ固定化できる抗菌抗ウィルス消毒薬の開発」
参考URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/二川浩樹

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