UNITT 一般社団法人大学技術移転協議会 University Network for Innovation and Technology Transfer

高速ビジョンを用いた卓球トラッキングシステム:APT (Auto Pan Tilt) システム

国立大学法人東京大学 産学協創推進本部 / 株式会社東京大学TLO

高速ビジョンを用いた卓球トラッキングシステム:APT (Auto Pan Tilt) システム

このシステムは、東京大学大学院情報理工学系研究科の石川妹尾研究室(現)と当研究室出身の奥 寛雅先生が率いる群馬大学大学院理工学府奥研究室が持つ 1msオートパン・チルト技術を基にしている。この技術に注目した日本放送協会(NHK)から東京大学に依頼があり、株式会社エクスビジョンとの共同開発が始まった。

 卓球の打球は非常に早く、カメラで拡大しながら打球を追跡することは手動では困難であった。一方、より臨場感のある映像や回転の様子を観察するために、アップで高速撮影された打球動画が求められていた。APTシステムは自動で打球を追尾してこの問題を解決するものとして開発が始まったのである。

 APT (Auto Pan Tilt) システムは卓球の球など高速に移動する物体をミラーと高速カメラを組み合わせた装置で追跡するシステムである。システムは3台の追跡装置と、撮影装置で構成されている。

 追跡装置は、高速カメラと2軸のガルバノミラーで構成されており、カメラの視野を制御することができる。視野内にある卓球ボールを認識し、動きに合わせてガルバノミラーを制御することで、常に高速カメラの視野中央に卓球ボールを捕らえ続けることができる。

 撮影装置は2軸のガルバノミラーで構成されていて、背後にテレビカメラでの撮影のために窓が設けられており、その窓を覗くようにテレビカメラを設置すると、テレビカメラの視線を制御することができる。3台の追跡装置から得られる情報から、対象の3次元情報を算出し撮影装置のガルバノミラーを制御することで、テレビカメラで卓球打球をアップに捕らえたまま追跡することが可能になる。

 写真1は追跡装置である。視線を制御するガルバノミラーが見える。写真2は撮影装置である。上部には追跡装置のうちの1台が配置されている(開発初期に作成したプロトタイプを流用しており、写真1と外見が異なるが機能は同じである)。

 開発されたAPTシステムは、目標通り、卓球打球のトラッキングを実現し、テレビカメラでの打球高速度撮影が可能になった。これまでに日本トップレベル選手によるレシーブのスローモーション動画が番組で紹介されるなどしている。回転の様子も克明に捕らえられていた。

 このシステムを用いることで、打球の3次元軌跡データも取得できる。そのため卓球選手のトレーニングに使えるのではないかと期待されており、東京オリンピックに向けて活用できないかと現在検討が進められている。

また、それらのデータを用いて回転情報を分析することもできると考えられ現在取り組みが進められている。卓球の回転についての詳細情報もトレーニングへの活用が期待されている。

図1

図2

参考動画

1ms Auto Pan-Tilt for perfect recentering

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